パワハラ会議

『パワハラ会議』

世の中の大人なら絶対に心当たりがあるはずですね(笑)
ご安心を。
一応、アニメが題材です。

昨年、日本中で大旋風を起こした
『鬼滅の刃』

最初に申し上げておきますね、
私は普段、漫画もアニメも見ません。
しかし、うちには小学生の子供がおり、一緒に映画を観に行くことになってたので、話を理解して楽しみたかったので事前にテレビアニメの総集編含む再放送をすべて録画して観ました。

そしたら、

アカン・・・

面白過ぎた (^^♪

もちろん、色んな感想があると思います。
あくまでも私の感想ですので悪しからず。

主人公の炭治郎の様に純粋で、折れても挫けず、常に自分を鼓舞し、常に謙虚に精進し、人や家族に対する溢れんばかりの愛情を持ち、悪人に対しても哀れみを抱いて生きていける人なんて、現実的にはそうはいない。
所詮漫画の世界の話ではありますが、そんな彼には憧れます。

某、元政治家でコメンテーターの方は、炭治郎、あんなに自分が頑張らなくても逃げればいい、みたいな事言っておられたが、まあ確かにそうなんですが、主人公は務まらない(笑)
あの話はそういう現実的な、ただ勝てばいい、という結果主義のずるい大人の理屈で見る話しではないと思います。
もちろん、そういう現実的ではない所が人気の秘訣だと思います。

さて、その「鬼滅の刃」、映画「無限列車」が大ヒットしましたが、その「無限列車」の直前の話のテレビアニメの回で、主人公の炭治郎の宿敵で鬼のボス、鬼舞辻無惨が自分の手下である下弦の鬼の「累」が倒されたことで、残りの下弦の鬼に見切りをつけて残酷に裁いていく「パワハラ会議」がこのアニメの見どころの一つとして話題になりました。

しかし会議とは名ばかりで、実の所は鬼舞辻無惨が一方的な理屈で下弦の鬼を処刑する場でしかありません。

あれ???

それって身に覚えありませんか?(笑)

これって、どちらの立場で物事を見たりとらえたりするかで見方は異なります。
例えば鬼舞辻無惨を経営者とすれば、下弦の鬼は売上目標の達成出来ない営業社員の幹部達。

鬼舞辻無惨からすれば、プロセスよりも切実に結果だけが欲しいんです。
あくまで自分にとっては鬼狩りを倒すこと、より強い理想の鬼になること、
そんな目標達成こそが目的です。
下弦の鬼達の状況、事情等、何ら一切関係なく、結果だけがすべてなのです。
すべてが自分の定規に当てはまらなければ全否定。
もちろん、手下に勧誘する時は相手の弱み等に巧みに寄り添い、物分かりの良い強きリーダーとして振る舞うのです。

下弦の鬼達は、鬼殺隊と呼ばれる人間の鬼狩り達と命がけで戦っている。
もちろん、結果が出ないのは鬼殺隊、いや正確には鬼殺隊の柱と呼ばれるリーダー達が強いからである。
鬼殺隊も柱を中心に命を懸けて戦っている。

ご存じの通り、勝率100%の勝負はなく、勝負とは必ず勝てるものではないのが大前提である。
プロ野球に例えれば、あのイチローでさえも常時4割の打率を保つことは出来なかったんです。
営業の世界でも同じで、すべてのお客様が自分から家を買うわけではなく、ある程度の成約率というのは統計的に否定出来ないのです。
しかし結果を評価するとなると、すべては言い訳でしかなくなるというわけですね。

一方、炭治郎は、
いかなる試練にも挫けず立ち向かう強い意思、
常に何事にも謙虚な姿勢で精進する心、
家族との絆を何よりも大切にする優しい心、
例え人を殺してきた悪い鬼でも、その鬼が元人間だった事実と、その鬼が人間の頃にそれぞれが抱えてきた闇や事情に対する哀れみの心、
でも結局強くなければ生きていけない現実と向き合える強い心、

いかがでしょう?
炭治郎は、本来人があるべき真摯で純粋で強さと愛と優しさのすべてを兼ね備えた理想の人物像といえる。
一方、鬼舞辻無惨は実際の現実社会で勝ち残っていける人物像の一例であるともいえるし、実際こんな人が多いです。
でも鬼舞辻無惨側に立てば、鬼舞辻無惨のすべてを否定出来ないのも事実で、見方を変えればこの人物像も理想なのかも知れませんね(笑)
もちろん鬼滅の刃の話では鬼舞辻無惨は悪人で、炭治郎は善人という絶対的に確立された図式で描かれており、実際にそうである。

どうですか?
これらを現実社会で命のやり取りがない状況を前提に置き換えて考えてみれば、鬼舞辻無惨にパワハラ処刑されないよう、渡り合って行く方法や力を身につけていくことが必要です。
かと言って実際に炭治郎みたいな生き方では常に消耗戦で疲弊してしまい、理想ではあるが、誰かさんが言うようにその役割は自分でなくてもいい。決してその生き方や考え方は社会では現実的ではないかも知れませんね。
鬼滅の刃の話の中では悪い鬼退治という大義名分がこの炭治郎の真面目さを美化しますが、実際の社会では、こんな真面目で純粋な人は、鬼舞辻無惨のような悪人に巧みに利用されて疲弊するのがオチかも知れません。悲しいな。

いやぁ、アニメから学ぶことはたくさんありますねぇ!
少年剣士が妹のために、ただ鬼を倒していくだけの話ではなかったかも知れませんね(笑)
そして、人は必ずしも明確な対価や報酬が原動力とは限らないことにも気づく必要がありますね。

最後に・・・

子供たちが家で絵を描いてたので、紙と鉛筆を拝借し、10分程で簡単に描いてみました。
「鬼舞辻無惨」
いかがでしょう?(笑)

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