今年は社員を二手に分けて、海外での社員研修旅行に行きました。前半組のマレーシアに引き続き、後半組はカンボジアでした。
カンボジア組のメインは何と言っても世界文化遺産のひとつ、「アンコール・ワット」の見学です。
アンコール・ワットはカンボジアのシェムリアップという町の郊外にあります。アンコールは大きい、ワットは寺院と言う意味だそうです。付近には他にもアンコール・トム(大きい町)を始め、たくさんの遺跡があります。
見学の日もシェムリアップはとてつもなく暑い日でした。アンコール・ワットに向かい参道を歩む私たちの背中には、服の上からでも痛いぐらいの日差しが照り付けていました。暑いとは聞いてはいましたが、まさか、これほどまでとは。。。
アンコール・ワットの佇まいは壮麗そのものでした。悠久の時を刻んできた威厳をひしひしと感じました。そして中に入れば幻想的な世界が私たちを迎えてくれました。さすがは世界文化遺産!汗だくになりながらの遺跡見学でしたが、言葉では言い表せない「本物」を実感することができました。
アンコール・ワットはヒンドゥ教の寺院だそうです。ヒンドゥ教の神々やそれにまつわる美しい彫刻が屋内壁面の随所を飾っています。これらの彫刻は、まず壁面の石を積み終えた後で彫刻されたそうです。
旅行と言えば食事も楽しみのひとつです。私たちは「クメール料理」と言う現地の料理に舌鼓を打ちました。香草類の味が全くダメな人にはちょっと厳しいかもしれませんが、私たちは全員、ほぼどれも美味しくいただくことができました!別の日には伝統芸能の「アプサラダンス」を見ながらのディナーもいただきました。
アンコール・ワット以外にもアンコール・トムやバンテアイ・クデイなどの遺跡も見学しました。
最終日の午後はオプションツアーということで、東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖でのクルージング組、シェムリアップ市街地でのショッピング組、天空の城ラピュタのモデルになったとベンメリア遺跡見学組に分かれての自由行動でした。
私はベンメリア遺跡の見学に行きました。離れた場所にあって3つの組の中では一番時間が掛かるとのことで、片道1時間半ほどのバス移動しての見学でした。このコースはホテルに戻ってきたのがチェックアウトの15分前というハードスケジュールでしたが、それに見合う以上の感動でした。
アンコール・ワットを始め、アンコール王朝の遺跡群は、ガジュマルの木と言う巨大な木によって破壊されていったそうです。石を運ぶために開けた小さな穴にガジュマルの木の種が入り込み、それが芽を吹いて何十年、何百年も掛けて巨大になりながら建物をその根でくるみ込んでいき、枯れた時や暴風の時に建物もろとも倒れるということが繰り返されてきたそうです。現地ではガジュマルの木は建物を壊していくだけで何の使い道も無く、日本で言うところの「ウドの大木」と言われているそうです。
アンコール・ワットやその他の遺跡は日本や諸外国の資金援助を受けて世界遺産として再生しているのですが、ベンメリア遺跡はアンケートの結果、巨木に破壊されたままの状態を残そういうことになり、世界文化遺産の登録を受けずに、あるがままの姿が今も残しているそうです。
自然の力強さを感じずにはいられないその光景は感動の一言に付きました。恐らくどんな美しい写真を撮っても、どんな上手な言葉を使っても伝わらないであろう臨場感に満ち溢れていました。ちょうどスコールが降り終わった後のタイミングだったので、人もとても少ないだけでなく、水を得た森が遠い昔から繰り返してきた、たくましい生命の鼓動を耳や肌からも感じられて、思わず涙してしまいました。
トンレサップ湖のクルージング組も猛暑のシェムリアップを横目に、湖面を流れる涼しい風が心地良くとても楽しかったと言ってました。
アンコール・ワットをこの目で見ることができる機会は、多分、一生でもこの一回だと思います。本物を目の当たりにし、その威厳や美しさを五感で直に感じることができました。想像を超える暑さも体験できました。写真や言葉では決して伝わらない経験をする機会を私たちに与えていただけて、とても有意義な研修旅行でした。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。