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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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山伏山 ―やまぶしやま―

中京区室町通錦小路上ル山伏山町

御神体は山伏の格好をした浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)です。息を引き取った父を祈祷でよみがえらせ、傾いた八坂の塔は法力で元に戻すなど、数多くの伝説を持つ人物です。

山の歴史は古く、応仁の乱以前にも巡行の記録はみられます。山を飾る懸装品の中で目を引くのは欄縁に舞う14羽の鶴です。錺金具の高い技術を投入し繊細に表現された名品は、平成20年に戦後初めての修復を終え、新たな羽ばたきを見せています。

御神体:浄蔵貴所

一度だけ巡行した青年期の御神体

飾り房にみる山鉾のつながり

右手に斧をかつぎ、頭上に兜巾(ときん)をかぶった御神体は、浄蔵貴所の中年から晩年にかけての姿と思われます。けれども、そのお顔が一度だけ青年期のものにすげ替えられたことがあります。

その年は、むろんその若々しいお顔で巡行をしたのですが、町内に戻り、御神体を下ろそうとしたところ、なんと山伏の装束がぐっしょりと濡れていたのです。これは何か悪い知らせではないかと不安に思い、翌年からは以前のお顔に戻すことになったのです。

通常は四隅にしか掛からない飾り房が、前水引の中央や前懸の中央にもある山伏山ですが、これにはこのような経緯がありました。

応仁の乱の前には58基を数えた山鉾も、戦火や火災で罹災し、消滅したり、休み山となったものもあります。山伏山の隣、菊水鉾もその一つで、戦後になって復興はしたものの、明治24年には一時再建を断念しました。その際、せめて懸装品だけは残そうと、見送や前懸、水引、飾り房などを山伏山に寄贈したのです。懸装品を譲り受けた山伏山は、菊水鉾の思いを受け継ぐ格好で、飾り房などを山の飾りのに追加したのでした。

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