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占出山 ―うらでやま―
中京区錦小路通烏丸西入ル占出山町
神功皇后が肥前国松浦で鮎を釣って、戦勝の兆しとしたという故事が元となっている山です。身重であった皇后は凱旋後に無事出産しましあ。その縁で安産のお守りと腹帯授与があります。
懸装品はひときわ華麗で、特徴的な染色が多くみられます。復元が難しいといわれる「三十六歌仙図」の水引をはじめ、前懸「厳島之図」と、左右の胴懸「天の橋立」「松島之図」の三幅は、天保2(1831)年に構想されたもので、日本三景を見事な綴織で表現しています。
御神体:神功皇后
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山鉾のくじ順が安産の決め手
山上に黒松をたてる
古来、安産の神様として信仰を集めている神功皇后は、その後円から、占出山のくじ順が早いとその年のお産は安産であるといわれています。
また、自分が献灯したロウソクを、短くなるまで待ってから持ち帰り、いざ陣痛という時に、神棚にそなえて残りを灯すと、燃えきるまでに子供を授かるといった言い伝えもたくさんあります。
ほかの山は真松に赤松(雌松=めまつ)を用いるのですが、占出山だけは御神体が女性であることから唯一黒松(雄松=おまつ)を用いています。
すっくと直立の赤松に比べ、黒松は枝の間隔が間延びしがちで、形のよい木を探すのが一苦労です。真松の下枝には銅鈴が吊るされています。
腹帯を巻いた御神体
御神体の皇后は、安産祈願のさらし木綿を巻いて巡行されます。それが後に腹帯として授与されるのです。
宵山の日、会所では「♪安産のお守りはこれよりでます ご信心のおん方様は 受けてお帰りなされましょ ロウソク1丁献じられましょう♪」と、子供たちの可愛い唄声が響き渡りますが、安産の霊験あらたかなお守りや腹帯は、祇園祭期間中だけではなく、年間を通じて求められるようになっています。