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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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月鉾 ―つきほこ―

下京区四条通室町西入ル月鉾町

鉾頭に三日月、真木に月読尊(つきよみのみこと)を祀っています。月読尊は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が禊祓いで右眼を洗った時に生まれた神といわれています。すべての山鉾の中で最も重く高い月鉾は、懸装品も豪華です。

一番の見どころは軒回りで、天井裏には円山応挙筆の「金地著採草花図」、波と兎の破風蟇股(はふかえるまた)は左甚五郎の作と伝えられています。さらに軒桁の錺金具には、びっしりと彫られた松村景文下絵の二枚貝や巻貝があしらわれています。動く美術館の代表ともいえる鉾です。

稚児:於菟麿

天王:月読尊

 

維持保存にかける工夫

扇子や手ぬぐいは毎年新作

祇園祭は保存会の相当な努力で維持されています。美術品クラスの懸装品は、修復に日数や高額の費用が生じ、そこを計画的に進めていくのも保存会の大きな役割です。月鉾では約26mの真木の一部に使われる竹を、長持ちさせようと割れ止めの銅線、さらにそこへシリコンを流し込み、20年はもつように工夫しています。

長持ちさせる工夫は、何も費用面ばかりが理由ではありません。長さや直径を満たす竹を探すのにも骨が折れるのです。

記念になる扇子や手ぬぐいは、祇園祭の楽しみの一つです。月鉾は、毎年違った意匠を用意するなど、ファンを飽きさせない工夫があります。また、定番のグッズの他に、法被型のペットボトルケース、月鉾を織り込んだ西陣織のタペストリー、ペアで持ちたいウサギと月を織り込んだお願い袋なども登場しています。

何かしら新しいものと出会えるのが月鉾の魅力の一つです。グッズを購入して鉾の上に上がってみてはいかがでしょうか。

王朝美の世界を鑑賞したい

見どころに富む鉾の中で、ぜひ鑑賞したいのが天井の扇面散図です。そこには「源氏物語五十四帖」をモチーフにして扇面散図(1835年制作)が描かれ、雅な王朝文学の世界に浸ることが出来ます。

作者は、町内に住んでいた岩城九右衛門なる人物です。九右衛門は、豊かな財力で月鉾の改造に尽力した功労者で、天井絵一つとってみても、芸術に親しんだ富豪らに支えられてきた山鉾の歴史を、窺い知ることが出来ます。

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