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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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蟷螂山 ―とうろうやま―

下京区油小路通綾小路下ル風早町

中国梁時代の昭明太子詩文集『文選』のなかの「蟷螂の斧を以て隆車(りゅうしゃ)の隧(わだち)を禦(ふせ)がんと欲す」ということばに着想を得ています。

御所車にかまきりを乗せているが、からくり仕掛けになっており、羽を広げ、首や斧を動かす姿は愛嬌があり巡行の人気者です。蟷螂山は幾多の戦火に遭い、安政4(1857)年以降、巡行を休止していましたが、約100年を経て、昭和56年に巡行が再開されました。

大蟷螂

大かまきりの繊細な動き

絢爛豪華な友禅で彩る山

大かまきりの人形は、クジラの髯(ひげ)をバネに用いて、羽を広げ、首や手鎌が動き、精巧な仕掛けは、細部にまで神経が行き届いています。

かまきりの羽の根元は木製で風に弱いため、巡行の際には必ずといっていいほど故障してしまいます。材料、技術面ともに困難ながら、からくり師の第一人者である玉屋庄兵衛氏の尽力によってみごとに復元新調されています。

かつては町内に友禅染の職人が多く暮らしていたこともあり、山を飾る懸装品は美しい友禅染に彩られています。前懸、胴懸、見送、水引とすべて友禅で飾っているのは蟷螂山だけです。

人間国宝で友禅染作家の羽田登喜男氏が懸装品の制作を手掛け、得意の鳥を描きました。比類なき友禅染としても注目されています。ちなみに、前懸には鶴、左の胴懸と後懸には鴛鴦(おしどり)、右の胴懸には孔雀が描かれ、強い日差しにも色あせしない特別な染料が使われています。

蟷螂山町に存続した御所車

山上には、雅やかな御所車が置かれ、唐破風屋根の棟には金の鯱が飾られ、車を引くための轅(ながえ)は、龍の口から突き出だされるなど、細やかな装飾が施されています。破風飾板には「享和二年六月新調」の銘があります。

大かまきりはこの御所車の屋根の上に安置されています。ちなみに屋根の上に金鯱がのるのは、山ではここだけです。(鉾は、長刀鉾と船鉾がのせています。)

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