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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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長刀鉾 ―なぎなたぼこ―

下京区四条烏丸東入ル長刀鉾町

矛先に大長刀を付けることから長刀鉾と呼ばれています。大長刀は平安時代の刀工、三条工鍛冶宗近作で、もとは、宗近が愛娘の病気平癒を願って鍛えた刀を奉納したものであると伝えられています。

古来「くじ取らず」で巡行の先頭を務め、巡行の当日は山鉾の中で唯一、生稚児(いきちご)が乗り込みます。鉾頭の長刀は、真剣だと重く危険なので、天保8(1837)年より竹製に錫箔を押し、鍍金金具をほどこしたものを使用しています。

稚児:生稚児

天王:和泉小次郎親衡

高さ:約25m

重量:約11t

車輪:約2m

鉾屋根:長さ約4.5m 幅約3.5m

 

天王像の正体は鎌倉武人

悪魔を調伏する舞人

長刀の下に長幡を垂らし、その下方に黒塗の小屋根を設け、天王像を安置しています。天王像は、鎌倉初期に源氏再興のために挙兵した和泉小次郎親衡をあらわしています。親衡は長刀鉾の太刀を求め、一時は愛用していたが、不思議なことが起こるので返納したという逸話を持ちます。

23cm程の木彫りで、右手に太刀を持ち、左肩に舟を担いで、堂々たる武人の姿をしています。この天王像は、鉾建ての最後に結わえつけられる重要なものです。

赤い天鵞絨(ビロード)製の網かくしの下方、大屋根の破風裏には、鉾を持った二人の舞人の彫像が置かれています。舞楽「厭舞」を舞うその姿は、悪魔を調伏し、災いを除く意味が込められています。

もう一方、後部の破風裏には、小鍛冶宗近が真剣を鍛える姿が刻まれています。宗近が手にしている小長刀は、文政13(1830)年に調えられたものです。前後の彫刻とも、長刀鉾ならではの深い意味を持ちます。

女性には見えない星座

鉾の天井裏側には、星辰28宿がめぐらされています。赤地綿に銀の鋲(びょう)を打ち、黒漆塗の細い棒で星座を表しています。女性は鉾に上がることができないため、直接見ることのできない珍しい意匠です。

また、屋根の軒裏には、正面に双丹頂鶴、後面に孔雀、側面の垂木の間には群鳥図が艶やかな金地極彩色で描かれています。作者は松村呉春の弟で、花鳥写生画の名手と謳われた松村景文です。文政12(1829)年の作。

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