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岩戸山 ―いわとやま―
下京区新町通高辻上ル岩戸山町
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日本神話の「天の岩戸」と「国生み」を色濃く表した曳山です。天照大神(あまてらすおおみかみ)、手力男尊(たぢからおのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と、3体のご神体が祀られています。巡行時には「くじ取らず」で、22番目を行きます。鳥居には長鳴鳥(鶏)が止まっています。
山ではありますが、鉾と同じように車輪をつけた曳山で、室町時代に改造されました。山である証に、真松を立てています。18世紀にインドで製作された胴懸、後懸の緞通も有名です。
御神体:伊弉諾尊・天照大神・手力男尊
御神体三様
復元新調された水引
金色の大きな目に彫りの深い顔立ちの伊弉諾尊は、金色の歯をむき出し笑顔を見えています。花菱七宝の文様の入った金襴の陣羽織を着用しています。箱書きには寛政3(1791)年6月13日の記載があります。
天照大神は、御所人形を思わせる胡粉の肌で見目麗しく、なぜか男子の姿をしています。
対照的に褐色の肌をした手力男尊は、見ているものがひき込まれるような笑顔を持っています。3神とも145㎝程です。
明治に調えられた天水引「緋羅紗地鳳凰丸刺繍」の色鮮やかな刺繍、さらに下水引の「金地鳳凰瑞華彩雲岩波紋綴錦」など、現代ではたいへん難しい刺繍の技法を駆使して造られた名品です。
金と銀の色を使っているのですが、銀はすぐ黒くなるのでプラチナを使い、細心の注意を払って、近年復元新調されました。
屋根裏に贅を尽くす
屋根裏には明治の日本画家・今尾景年の「極彩色四季草花図」が描かれています。金箔の板に、薔薇、河骨(こうほね)、鉄仙、菊、楓、木蓮、芍薬(しゃくやく)、椿、黄葵、貴船菊、朝顔、水葵、百合など極彩色で華やかな、大正7年、景年73歳の作です。
まだ軒裏の絵も予定されていましたが、景年は80歳で亡くなり、弟子の中島華鳳に受け継がれ、12羽の鶺鴒(せきれい)図が描かれました。