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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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白楽天山 ―はくらくてんやま―

下京区室町通綾小路下ル白楽天町

唐の詩人白楽天と道林禅師の問答場面を表現しています。白楽天が仏法の大意を問うと、禅師が「悪いことをせず、善いことをすること」と答えました。白楽天がそれなら3歳の子どもでも知っていると言えば、「しかし80歳の翁でも行い難い」と説き、白楽天は禅師の徳の高さに感服したのでした。この故事から、真の学問が身につく山と言われています。

前懸はベルギー製、見送は18世紀フランスで作られたゴブラン織りです。

御神体:白楽天・道林禅師

松の樹上で座禅する道林禅師

世界の名品を蒐集した懸装品

道林禅師は、秦望山にある老松の樹上に座って暮らしていました。禅師の横で鵲(かささぎ)が巣をこしらえたことから、鵲巣(じゃくそう)和尚との別称がついたほどです。訪れた白楽天は「そんなところに暮らしていたのでは危ない」といったところ、「薪のような家に住んで、そこで火を焚く方がよほど危ない」と切り返されてしまいます。禅師が松の上に住む逸話から、古来、白楽天山の真松は、群を抜いて一番高い樹が選定されるといいます。

前懸は、トロイ戦争を描いた16世紀ベルギー製のタペストリーで、5枚シリーズの1枚を分割したものです。万延元年(1860)に蟷螂山から購入しました。落城の場面で、アイネイアスが乳を救出する図を織り込んでいます。

また、胴懸右を飾る「女狩人」は、18世紀のベルギー製です。見送のひとつは、18世紀にフランスで製作された「水辺の会話」で、画家ユエの下絵によるものです。フランスにまで買い付けに出向き、輸入した名品揃いです。

白楽天と道林禅師

道林禅師の御神体は江戸初期の作で、白楽天はそれよりまだ古いとの考えもあります。胴は天明8(1788)年に焼失しており、現在のは「寛政六年人形師金勝亭利恭謹造」の銘が残っています。

江戸の初めは、御神体の意匠もさまざまで、白楽天は中国風だったのが、文政4(1821)年には、禅師が紫衣、白楽天は唐織白地の狩衣と、現在のスタイルが確立されました。

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