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祇園祭 KYOTO Gion Matsuri
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伯牙山 ―はくがやま―

下京区綾小路通新町西入ル矢田町

琴の名人伯牙が自分のことの理解者である鐘子期(しょうしき)の死を嘆き、琴の弦を絶ったという「知音(ちいん)」の故事を趣向にした山です。御神体の頭には「金勝亭賽偃子」の墨銘が記され、寛政2(1790)年の作です。仙人遊楽図を織り出した前懸「慶寿裂」は、上下にめでたい詩文を印した高級金襴で中国明代の作です。

他の山鉾とは趣が違って山の装飾に統一感があり、水引・胴懸・見送・金具の図柄にいたるまで懸装品はすべて中国風となっています。

御神体:伯牙

高貴な容貌の御神体

「琴割り」をしたのは誰か?

御神体は196.5センチと大きく、檜材に胡粉彩色のお顔立ちは高貴で憂いを秘めた表情をしています。顎鬚をたくわえ黒髪で、鼻筋の通った造作はまさに異国的な風貌です。

その伯牙が眼下を見定めながら、黒塗りの柄を両手に持ち、銀色の刃先の鉞(まさかり)を振り構えているようすは、苦渋に満ちた伯牙の心中を物語っています。

伯牙山は明治になるまで「琴割り山」と呼ばれていました。中国の故事には琴を割る人物が二人いて、その中から明治4年、伯牙を選んだといいます。

ところが、当山保存会長の杉本秀太郎氏によれば、現在の御神体の装束(正装)や「断り」に通じる「琴割り」の音から、もうひとつの故事が主題になっているのではないかと言います。それは、「戴逵破琴(たいきはきん)」という話で、諸芸の達人だった戴逵が、武陵王の召し出しを断るあt目に、使者の目の前で琴を割ったというものです。

中国風に揃えらえた懸装品

前懸は、長寿の祝いに贈る金襴『慶寿裂』で、中国明代の制作です。立体的な刺繍の見送「緋羅紗地押絵唐人物文」や、麒麟に乗る女仙、白鷺を抱く女仙、孔雀をしたがえる仙人、虎をなでる仙人、船を操る仙人を大胆な構図で描いた「三仙二仙女刺繍」など、伯牙山をひとめぐりすることで、まさしく中国の招福の意匠に込められた「めでたさ」を実感することが出来ます。

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