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黒主山 ―くろぬしやま―
中京区室町通三条下ル烏帽子屋町
謡曲「志賀」により、歌人大伴黒主が桜花を仰ぎ見ている姿を表しています。御神体は寛政元年(1789)の作です。山に飾る桜の造花は、翌年の粽に添えられ、この桜を玄関に挿すと悪事除け、泥棒除けになるといわれています。
前懸は萬歴帝即位の折の御服と伝わる古錦を復元した「五爪龍文錦」です。近年、復元新調された見送は「牡丹双鳳凰文綴錦」、ほかに「紅地唐子遊図」もあります。
御神体:大伴黒主
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いぶし銀の魅力を持つ黒主
シンボルである「黒」の文字
御神体には「寛政元年五月辻又七郎狛元澄作」の銘があります。自然木の杖を突いて背を反らしている老人の姿は檜材でできており、身の丈160センチ程です。着物で隠れた部分も入念に刻まれています。白髪の髷にあごひげをたくわえ、浅葱色の絹の綿入に金襴の小袖、それに金襴の大口袴をはいた姿は、老境ならではの魅力を持っています。
能衣装と同じく着付けが難しく、熟練の手による着付けも見どころのひとつです。
シンボルマークである「黒」の字をたいせつにしています。舁き手の法被(はっぴ)や黒の塗り笠に「黒」の文字を印すのはもちろん、黒漆塗の轅(ながえ)の先にも金銅金具で「黒」の字を鋳出しています。
また、往来の桜を添えた粽をはじめ、食べられる粽、「黒」をキーとした数々の限定商品や新商品など、黒主山特有のグッズも人気を集めます。。
桜の添山が華やか
昔の山は、真松の山籠に加えて添山を置き、華やかな演出をしていました。そのスタイルが黒主山には残っており、正面に一里塚式山籠、右前方に桜の添山が配されています。松の下枝には五鈷鈴が2個掛けてあります。また、この山の金幣は独特の形をしているのにも注目です。